第3回 妨害系受けループとは
一言で受けループといってもいろんな種類があります。
大きなところなら純正と非純正もそうですし、細かいところなら崩し方や詰め方などプレイヤーや構築で多岐に渡ります。
分類とか系統とかいろんな呼び方はあると思うのですが、ここでは流派と呼ぶことにします。だってかっこいいじゃん。
今回はその中でも中の人が好んで使う”妨害系受けループ”について書いてきたいと思います。
流派・妨害系受けループの基本理念
なんだかそれっぽいんで箇条書きにしてみます。
一つ、相手のやりたいことをやらせるな
二つ、あらゆる手段で役割破壊をするべし
三つ、そして受けきるべし
もちろん正派の受けループでもこれらの要素はあるのですが、妨害系の場合はこれらの要素を重視しているという違いがあります。
相手のやりたいことをやらせるな
まず最初になるのが”相手のやりたいことをやらせるな”です。
これは一番大きな概念になります。
受けループに限らず受け構築はこの要素を強く持っていると思います。有利対面を作る交代や、相手の突破を防ぐ積みなどは分かりやすい例だと思います。
相手がやりたいことができなければ、それはこちらの勝利ということになります。
妨害系の場合、正派の受けループよりもこの要素に重きを置いているという違いがあります。
あらゆる手段で役割破壊をするべし
妨害系受けループの基本的な考え方として第一に上がるものは、とにかく役割破壊です。
分かりやすいところだと、物理アタッカーをやけどにしたり耐久ポケモンをもうどくにしたり、積みアタッカーに対して特性てんねんなどは分かりやすいところだと思います。
特に状態異常は治らないので、かなり重宝します。
そしてここで重要なのは、役割を遂行できなくすることです。
相手のポケモンを無理に倒す必要はなく、役割を持てなくすることで擬似的に倒した状態を作っていきます。
相手のポケモン全てが役割を遂行できないのなら、それはこちらの勝利が確定します。
これこそが妨害系受けループの真骨頂です。
そして受けきるべし
まぁ、これはそのままです。役割破壊をして受けきれば勝ちです。
正しくは”余裕を持って受けきるために役割破壊をする”なんですけどね。
例えば物理アタッカーがみんなやけどになればハピナスでも受けれるので、あとは倒すだけになりますし、くさ技やもうどく持ちがいなくなればヌオーでたくわえれば特殊アタッカーでもだいたい受け切れます。
この状態を作ることを強く意識した構築が妨害系受けループという流派です。
ハマると相手のダイマックスをこちらはダイマックスを切らずに受けきることも十分可能です。詰めきれない時に能動的にダイマックスを切れるのはとても有利です。
そして瀕死にならずに仕事ができなくなる都合上、降参されることが非常に多いのもひとつの特徴です。
特に相手のダイマックスをそのまま受けきると、そのまま降参してくることがままあります。
害悪・悪質といった言葉がぴったりで、メイン戦略はやる気デストラクションです。
それではもっと詳しく妨害系という流派について書いてきたいと思います。
”やりたいこと”とは
どんな構築でも勝ち筋というものは考えて作られています。
その考え方は多岐にわたりますが、そもそもポケモンというゲームにおいて存在する要素はそこまで多くありません。
中の人が考えているポケモンの要素とは
ポケモンそのもの(タイプと種族値)
覚えさせているわざ
特性
持たせているアイテム
大きくなものではこの4つで、それに
おなじポケモンとアイテムは使えない
努力値と性格
といった要素が加わり、最後に
それらの組み合わせ
であると考えています。
この組み合わせは無限ともいえるほど膨大な数になります。その組み合わせの中でやりたいことをしていきます。
起点を作って積んでみたり、こだわりアイテムで強引に突破したり、受けループの受け回しも組み合わせのひとつですね。
細かく見れば無限の組み合わせになりますが、元をたどれば
タイプ
ステータス
特性
わざ
持ち物
の組み合わせに過ぎません。
これらから自分のやりたいことを選択し、それに向かって厳選育成して、組み合わせることで最終的にパーティーとなります。
なんでそんな分かりきったことを改めて書くのか?
それは妨害系受けループにおいて、この考え方が非常に大きな意味を持つからです。
それでは次は役割破壊について書いてきたいと思います。
妨害系受けループにおける役割破壊とは
妨害系に限らずですが、相手が仕事ができなくなれば役割破壊が成立します。
その役割を持たせる上で大抵の場合は優秀な種族値とわざ、そして噛み合った特性にそれを引き立てるアイテムを持たせ、多くの場合は状態異常がない状態で考えています。
こんじょうやふしぎなうろこなどの特殊な特性が目的で、あえて状態異常になることもありますが、特殊な例といえます。タチフサグマやローブシンなどはたまにやってきますね。
役割を持たせた例として分かりやすいモノだと”ごりむちゅうハチマキヒヒダルマ”とかですね。
高めのASと広いわざ範囲、そしてごりむちゅうとこだわりハチマキによる相乗効果での超火力。
優秀な種族値とわざ、噛み合った特性とそれを引き立てるアイテムで成り立っていて、状態異常がないことを前提としています。
通常このヒヒダルマを止めるのであれば、より高いすばやさで殴ったり、タスキで耐えて返しで倒したり、ダイマックスで無理矢理受けたりなどの必要があります。
受け構築的に考えるのなら、一致のこおり技を半減で受ける、高い数値で受ける、まもるでわざを見て交代する、などの必要があります。
では妨害系という流派ではどう考えるのか?ですが、それは
組み合わせを崩す
ことを考えます。
優秀なステータス、優秀なわざ、噛み合った特性、引き立てるアイテム、健康状態、これらのいずれかを欠くことができれば、一気に機能を低下させることができるんです。
それではそれらの具体的な方法を見ていきましょう。
具体的な役割破壊
まず、前提としてダメージは
ステータス(こうげきやとくこう)、わざの威力、タイプの一致と相性、特性、アイテム、能力ランク、物理ならやけど、モノによってはわざによっての細かい補正
これらの要素でできていますね。
要はこれらをイジるわざを組み込めばいいのです。
それでは各要素について詳しく見ていきましょう。
ステータスの数値を変動させるわざ
これはパワーシェアとガードシェアです。
こうげきとくこうに関わるのはパワーシェアの方ですね。
利点
確実に相手のこうげきやとくこうの数値そのものを下げることがでることが強みです。
欠点
面白いのですが覚えるポケモンも少なく、独特な立ち回りになってきます。交代されると戻ってしまうことも欠点です。
確か高速回復技と共存できなかった記憶があります。
わざの威力と範囲
おそらくですが、相手のわざの威力を下げるといったわざはないと思います。
まぁこれは能力ランクがその役割を担っていますからね。
それでもあえて挙げるのであれば、雨の時にほのおわざの威力が下がったりなどはそうかもしれませんね。
わざに関しては威力よりも範囲を絞りたいです。
もちろん相手のわざそのものを変えることはできません。しかし、使うわざを制限させることは可能です。
具体的にはかなしばりやふういん、特性のろわれボディなどになってきます。
利点
一時的にはなってしまいますが、有効なわざが使えなくなるのは意外と効果が高いです。
こだわり持ちならわるあがきか交代に追い込むこともできます。
欠点
これらは一時的なものに過ぎません。どちらかといえば交代を促す、要は流すことになってしまうだけになります。(それで十分な場合もありますが)
また、どうしても永続的に効果を出し続けたいなら、
PPを枯らす
のが一番です。
特性プレッシャーやまもる、アンコール、うらみ、おんねんが有効な手段になります。
利点
残りの試合中にそのわざが完全に使えなくできることが大きな利点です。
強力なわざはPPが少ないので、意外と簡単になくせたりします。
欠点
相手もそれを見越して交代するので上手くいかない時もままあります。
わざを使う、交代するなどの選択肢は相手にあるからです。
どうしても枯らしたいのなら、交代不能にするわざや特性と絡めて使う必要がでてきます。
PPが無くなるまで使わせることが大きな手間になることも欠点といえます。
タイプの一致と相性
ポケモンでは持っているタイプと使うわざのタイプが一致していると1.5倍のダメージボーナスが乗ります。
簡単にいえば不一致のハチマキやランク+1、ダメージだけなら急所と同じダメージがでます。
もちろん一致ハチマキやランク+1ならさらに1.5倍のダメージがでます。
もしこれを防ぐなら、相手のタイプを変えるわざを使う必要があります。
具体的にはみずびたしとまほうのこなです。
利点
これらのわざは自分が持っているタイプに変更できるので、万一一致で打たれても半減できるという強みがあります。
相手がすべて不一致、もしくは一致だけど半減では火力がでなくなります。
欠点
使えるホケモンがかなり限られるのが欠点です。まほうのこなに関してはブリムオンの専用わざです。
ちなみに特性リベロには事実上無効です。
交代されると戻ってしまうので注意が必要です。
タイプ変更わざは受けに向いたポケモンもいるので、一考の余地はあります。
似たようなわざでもりののろいとハロウィンがありますが、こちらは”追加する”なので、相手のタイプが変わることはありません。
タイプの相性に関してですが、これは基本的に交代で補えます。
自分のタイプを変えるわざとしてはテクスチャー、テクスチャー2、もえつきる、ミラータイプ、条件付きではねやすめです。
うまく使えばかなり有効に働いてくれるので、タイプ相性の観点からの採用もアリです。
特性
リベロ、きょううん、ごりむちゅうなど、特性は強力なモノが多いです。
相手の特性を変える手段として、わざなら、いえき、シンプルビーム、スキルスワップ、なかまづくり、なやみのたねがあります。
この中でもスキルスワップは相手の強力な特性を奪うこともできるので、かなり強力です。
受けに向いたポケモンもいるので、特性から崩したいなら採用できます。
利点
採用されていることが少ないわざなので読まれにくいです。
スキルスワップなら強力な特性を奪うことができます。
欠点
やはり交代されると戻ってしまうことが欠点です。
特性で特性を変えるものもあります。
ミイラとさまようたましいです。デスカーンとデスバーンの専用特性です。
利点
わざを使う必要がなく、後出しだけで火力を削ぎ落せるのは優秀です。
欠点
選択肢が他にないことと直接攻撃をうけないと発動しないこと、高速回復技がないことは欠点です。見せ合いの時にすでに警戒されます。
特性変更自体が交代されると戻ってしまうことが欠点として挙げられます。
アイテム
こだわりアイテムを始め、いのちのたまやタイプ強化アイテムなど、意外と大きくダメージに関わってきます。
こだわり系は1.5倍、いのちのたまは1.3倍、タイプ強化アイテムは1.2倍の補正がもらえます。
また、持ち物はダメージに限らず、たべのこしや各種木の実、きあいのタスキやふうせん、はたまたしめったいわやかえんだまなど、かなり色んな効果を出せる上に何を持つのも自由という、かなり強力なモノになっています。
アイテムを操作できるわざは、はたきおとす、トリック、すりかえが該当します。
条件付きになりますが、どろぼうとほしがるも相手のアイテムを操作できます。
自分のアイテムを落とすならなげつけるなどもそうなります。
利点
強力なアイテムを無効化にできることそのもの自体も強力ですが、永続性があることが一番の利点です。
落としたり交換したアイテムは交代しても戻りません。
相手の持ち物が判明することも大きな利点のひとつです。
トリックでも
はたきおとすでも相手の持ち物が判明します。
欠点
はたきおとすは使えるポケモンが少なく、トリックとすりかえはデメリットがあるアイテム(こだわりアイテムやくろいヘドロなど)をもらってしまうことがあることが欠点です。特にとつげきチョッキは最大級のキケンアイテムです。
しかし、それらをさらに押し付けることができることは利点になります。
どろぼうとほしがるは能動的に使うなら消化しやすいアイテムか持ち物なし、もしくはなげつけるなどのアイテムを消化するわざが必要になります。
逆にいえば消化するわざがあれば複数回の発動も可能ということにはなります。
特性でアイテムを操作できるモノもあります。
わるいてくぜがそうです。
利点
わざを使わなくても発動できることが利点です。後出しで奪うことができます。
欠点
直接攻撃にしか対応できないことと、自身がアイテムを持っていない状態でなければならないことが欠点です。
また、この特性を持ったポケモン自体も少ないです。受けるならガメノデスくらいしかいないです。
能力ランク
ダメージには大きく関わりますが、これは擬似的な役割破壊です。
利点
最も簡単に役割破壊ができることが最大の利点です。
欠点
こちらがランクを上げた場合、ぼうぎょを上げても特殊アタッカーがくれば無効ですし、逆もまた無効です。
両方のランクを上げるわざは積み速度が遅いです。
相手のランクを下げても交代されれば戻ります。(能力ランクを下げること自体が流す意味合いが強いです)
こちらのランクも交代すれば戻ります。
また、急所に当たった時に無効化されることが大きな欠点です。
※急所に当たった場合、攻撃側のランクがマイナスならそれを無視、防御側のランクがプラスならそれを無視する。
確定急所のウーラオスわざやきょううんキッス、きあいだめなどの急所戦術には無効です。
やけど
ダメージ計算に関わる状態異常はやけどです。
物理全般を機能停止にでき、永続性もある非常に強力なものです。
利点
物理アタッカー全般はもちろん二刀流でも物理を破壊でき、永続であることが利点です。
ねっとうやねっさのだいちなど、ほのおわざ以外でも狙っていけることも大きな利点です。しかもなかなかの確率で入ります。
欠点
ほのおタイプには無効です。
特殊アタッカーにも効果がかなり薄いです。
与えられるダメージも少なめです。(最大値の1/16)
おにびがたまに鬼外しします。おにだけに
システム的なモノですが、回復持ちに対してやけどを入れてしまうと低火力な受けループでは押しきれなくなることがあります。
特性こんじょうやふしぎなうろこなど、入れてしまうと厄介なポケモンもいます。(よく見るのはタチフザグマ、ローブシン、ミロカロス)
これの欠点を考えても”やけど”はかなり強力な状態異常といっても過言じゃありません。
これらをまとめると
どの手段も有効なのですが、その中でも
状態異常とアイテム操作
が非常に強力です。
持ち物がなくなりやけどのになったエースバーンやウーラオス、急所率が激減したきょううんトゲキッス、くろいヘドロがなくなり固定ダメージを受けるドヒドイデやフシギバナ、これらが機能するとは思えません。
先ほどのごりむちゅうハチマキヒヒダルマでも、持ち物を変えるかやけどにすれば一気に弱体化させることができ、その後は後出しも可能になります。両方なら完全に機能停止させることができます。
実際に今使っているパーティーだと、やけどにできるポケモンが4体、アイテム操作ができるポケモンが2体入っています。
せっかくなんでレンタルパーティー貼っときます。
構築の詳しいことは改めて記事にしますので、お待ちください。
お待たせしました。こちらから飛べます。
今回もこれでマスターボール級に無難に行きました。
シリーズ6では多少変わるかもしれませんが、根幹の部分は変わらないと思います。
まとめ
永続性のあるやけどとアイテム操作を中心に役割を破壊し、相手を詰ませる。
それが妨害系受けループの在り方です。
純正と比べてもかなり悪質な戦い方と自分でも思います。
ですが、これができる=戦い方として認められているということなので、堂々とやっています。
やってはいけないならできないようにゲームを作るべき、というのが中の人の考え方です。
なによりも自分は妨害系が一番使いやすくて使ってて楽しいです。
あとがき
今回は妨害系受けループについて書いてみました。
”倒すこと”ではなく、”仕事をさせないこと”がメインの戦い方です。
その都合上
一撃技にものすごい弱い
という欠点があります。生きていれば仕事ができてしまうからです。
特にラプラスは天敵です。
ラプラスが増えるようなら見直さないとならないところがありますね。
それではこれを参考にして、自分なりのプレイスタイルを見つけてくださいね。
これからも受けループを楽しみましょう(^^)
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